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「売買代金完済」を停止条件とする条件付所有権移転仮登記とは

売買代金完済時に所有権が移転する旨の売買契約に基づく仮登記
売買代金の完済時に所有権が移転するとの附款付き売買契約が締結された場合には、登記原因を「年月日売買(条件 売買代金完済)」とする停止条件付所有権移転の仮登記を申請することができます(昭58.3.2民三1308)。
この旨の売買契約は、将来において実現が不確実である事実にかからせる(売買代金の支払いは買主の意思に委ねられていることから実現が不確実である)ことから、条件付の所有権移転仮登記(2号仮登記)を申請することになります。
登記申請書の記載例
「売買代金完済」を停止条件とする条件付所有権移転仮登記の登記申請書の記載例は以下の通りです。
登記申請書の記載例(抜粋)
登記の目的 条件付所有権移転仮登記
原 因 年月日売買(条件 売買代金完済) ※1
権 利 者 (住所)(氏名)【買主】 ※2
義 務 者 (住所)(氏名)【売主】
添 付 書 面 登記原因証明情報 ※3 ※4 ※5
印鑑証明書
代理権限証明情報
登録免許税 金○円 ※6
※1登記原因は、売買予約契約が成立した日をもって「年月日売買」とし、「(条件 売買代金完済)」と括弧書きします。
※2原則として、権利者と義務者の共同申請となります(不動産登記法60条)。
※3登記原因証明情報の記載例は次項に記載の通りです。
※4登記識別情報(または登記済証)の提供を要しません(不動産登記法107条2号)。
※5仮登記権利者の住所を証する情報の提供を要しません(昭32.7.27民甲1430)。
※6登録免許税の税率は、課税価格の1000分の10となります(登録免許税法別表1一(十二)ロ⑶)。
登記原因証明情報の記載例
「売買代金完済」を停止条件とする条件付所有権移転仮登記にかかる登記原因証明情報の記載例は以下の通りです。
登記原因証明情報の記載例
登記原因証明情報
1.登記申請情報の要項
(1)登記の目的 条件付所有権移転仮登記
(2)登記の原因 令和○年○月○日売買
(条件 売買代金完済)
(3)当事者 権利者 (住所)B
義務者 (住所)A
(4)不動産の表示 (省略)
2.登記の原因となる事実又は法律行為
(1)令和○年○月○日、AとBは、本件不動産につき以下の内容による附款付売買契約を締結した。
(2)Bは、令和○年○月○日手付金として金○万円をAに支払う。この手付金は無利息とし、残代金支払時に売買代金の一部に充当する。Bは、令和○年○月○日までに、本件不動産の引渡しと同時に、残代金として金○万円をAに支払う。
(3)この売買契約には、売買代金全額の支払時に本件不動産の所有権が移転する旨の特約がある。
(4)よって、本件不動産の所有権は、(2)の売買代金完済と同時に、AからBに移転する。
令和○年○月○日 ○○法務局御中
上記の登記原因のとおり相違ありません。
権利者 (住所)B 印
義務者 (住所)A 印
登記事項証明書の記載例
「売買代金完済」を停止条件とする条件付所有権移転仮登記にかかる登記事項証明書の記載例は以下の通りです。
売買代金完済を停止条件とする条件付所有権移転仮登記をした例