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休眠担保権抹消の単独申請~抵当権者の法人が解散し30年経過しているとき

家と計算機と通帳

休眠担保権とは、明治・大正・昭和などに設定された、現在も抹消されずに残っている古い抵当権等のことをいいます。

令和5年4月1日の不動産登記法改正により、法人が抵当権者である場合において、法人の解散の日から30年を経過しているなど、一定の要件を満たす場合には、抵当権設定者(所有者)が単独で抵当権の抹消登記を申請することができるようになりました。

要件は以下のとおりです(不動産登記法70条の2)。

抵当権者である法人が解散していること

 閉鎖商業登記簿謄本により、法人が解散していることを確認します。

不動産登記法に定める調査を行っても清算人の所在が判明しないこと

 清算人の登記簿上の住所について住民票・戸籍の附票を取得できない場合には「不在住証明書」「不在籍証明書」を取得します。あわせて、法人の登記簿上の本店所在地、および清算人の登記簿上の住所に配達証明付き書留郵便を送付し、「宛て所がない」ため返送された場合には「所在が判明しない」ものと判断されます。

被担保債権の弁済期から30年を経過していること

 登記簿の記載、または金銭消費貸借契約証書・売買契約書等の記載により、抵当権の被担保債権の弁済期から30年を経過していることを確認します。

法人の解散の日から30年を経過していること

 閉鎖商業登記簿謄本により、法人の解散の日から30年を経過していることを確認します。

(ご参考)

登記申請書の記載例(抜粋)

登記の目的 ◯番抵当権抹消

原因 不動産登記法第70条の2の規定による抹消※1

権利者(申請人)(住所)(氏名)※2

義務者     (本店所在地)(名称)※3   

添付書類 登記原因証明情報※4  委任状(司法書士など代理人に手続きを依頼する場合)

登録免許税 不動産1物件につき1,000円

※1 登記原因日付の記載は不要です。

※2 権利者(所有者)に相続が発生している場合には前提として相続登記が必要となります。

※3 義務者(抵当権者)は、登記簿上の法人の本店所在地・名称を記載します(代表者に関する記載は不要)

※4 登記原因証明情報は以下のもの等を添付します。

○調査報告書・・・管轄法務局宛に調査の内容を報告書形式にまとめたもの

○閉鎖商業登記簿謄本・・・抵当権者である法人の解散の日から30年経過していることを証するため

○不在住証明書・不在籍証明書・・・清算人の登記簿上の住所について住民票・戸籍の附票が取得できないことを証するため

○「宛て所がない」ため返送された法人及び清算人宛ての配達証明付き書留郵便の封筒

○不動産の登記事項証明書・金銭消費貸借契約証書・売買契約書等・・・被担保債権の弁済期から30年経過していることを証するため

(解散した法人の担保権に関する登記の抹消)
第七十条の二 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき法人が解散し、前条第二項に規定する方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しないためその法人と共同して先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請することができない場合において、被担保債権の弁済期から三十年を経過し、かつ、その法人の解散の日から三十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、単独で当該登記の抹消を申請することができる。

休眠担保権の抹消登記は、通常の担保権の抹消と比べ手続きが煩雑となり、調査等の時間もかかります。

手続きに不安のある方は、お近くの司法書士までご相談ください。

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