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その他法人登記

目次

役員変更の登記

株式会社、一般社団法人、一般財団法人において、役員について、任期満了により退任、就任、辞任、死亡等があった場合には、2週間以内に役員変更の登記を申請しなければなりません(会社法915条1項、一般法人法303条)。この期間内の登記を怠った代表者等は、裁判所から100万円以下の過料に処せられる可能性があります(会社法976条1号、一般法人法342条1号)。

1.役員の任期満了による変更の登記

役員の任期が満了した後、新たな人が役員に就任する場合のほか、同じ人が役員に選任(再任)された場合でも、登記事項に変更が生じることから、役員変更の登記を申請しなければなりません。

なお、役員変更の登記をしないまま、株式会社においては最後に登記をしたときから12年を経過したとき、一般社団法人・一般財団法人においては最後に登記をしたときから5年を経過したときにおいて、その後も登記または事業を廃止しない旨の届出をしない場合には、解散したものとみなされ、登記官の職権により解散の登記がされることになるので注意が必要です。

株式会社、一般社団法人、一般財団法人における役員の任期は以下のとおりです。

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株式会社取締役選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
ただし、定款又は株主総会の決議により、その任期を短縮できる(会社法332条1項)
公開会社ではない株式会社の取締役及び監査役の任期は、定款により、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結のときまで伸長できる(会社法332条2項、336条2項)
監査役選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで(会社法336条1項)
代表取締役の地位は取締役の地位に基づくものであるため、取締役としての任期が満了した場合には退任する
一般社団法人理事選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会終結の時まで
ただし、定款又は社員総会の決議により、その任期を短縮できる(一般法人法66条)
監事選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会終結の時まで
ただし、定款により、その任期を選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会終結の時までとすることを限度として短縮できる(一般法人法67条1項)
代表理事の地位は理事の地位に基づくものであるため、理事としての任期が満了した場合には退任する
一般財団法人評議員選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会終結の時まで
ただし、定款により、その任期を選任後6年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会終結の時まで伸長できる(一般法人法174条1項)
理事選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会終結の時まで
ただし、定款により、その任期を短縮できる(一般法人法177条、66条)
監事選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会終結の時まで
ただし、定款により、その任期を選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会終結の時までとすることを限度として短縮できる(一般法人法177条、67条1項)
代表理事の地位は理事の地位に基づくものであるため、理事としての任期が満了した場合には退任する

なお、役員が任期満了により退任し、定款や会社法に定める役員の必要人数に満たなくなる場合には、新たな役員が就任するまで退任による変更登記を申請することはできません。

2.役員の就任による変更の登記

株式会社においては取締役・監査役・執行役の就任、一般社団法人においては理事・監事の就任、一般財団法人においては評議員・理事・監事の就任による変更の登記の申請書には、「本人確認証明書(就任を承諾したことを証する書面に記載した氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書)」を添付します(いずれも再任の場合を除きます)。具体的には以下のとおりです。

○住民票記載事項証明書(住民票の写し)

○印鑑証明書

○運転免許証やマイナンバーカードのコピーに本人が原本と相違がない旨を記載し、記名したもの等

 

3.役員の辞任または死亡による変更の登記

役員が死亡により退任し、定款や会社法に定める役員の必要人数に満たなくなる場合でも、死亡による変更登記を申請することはできますが、役員が辞任により退任し、定款や会社法に定める役員の必要人数に満たなくなる場合には、新たな役員が就任するまで辞任による変更登記を申請することはできません。

本店移転の登記

株式会社において、本店の所在地は定款の絶対的記載事項(会社法27条)ですが、本店の所在地は最小行政区画まで記載する必要があることから、ケースにより手続きが異なります。

定款に、「当会社の本店は、東京都中央区に置く。」との定めのある株式会社において、定款記載の本店の所在地に変更が伴わない本店移転(たとえば、東京都中央区内から東京都中央区内における本店移転)の場合には、定款変更は不要となりますが、定款記載の本店の所在地に変更が伴う本店移転(たとえば、東京都中央区内から東京都渋谷区内への本店移転)の場合には、株主総会の特別決議による定款変更が必要となります(会社法466条、309条2項11号)。

また、本店を移転した場合には移転日から2週間以内に本店移転の登記を申請しなければなりません(会社法915条1項)。この期間内の登記を怠った代表者等は、裁判所から100万円以下の過料に処せられる可能性があります(会社法976条1号)

本店を同一の登記所の管轄区域内に移転した場合の登記申請は、管轄する登記所に申請し、その登録免許税は3万円となります。

一方、本店を他の登記所の管轄区域内へ移転した場合の新本店所在地における登記申請は、旧本店所在地を管轄する登記所を経由して行い、この登記の申請と旧本店所在地における登記の申請は同時にしなければなりません(商業登記法51条1項、2項)。また、その登録免許税は6万円となります。

商号変更の登記

株式会社において、商号は定款の絶対的記載事項であることから(会社法27条)、商号の変更を行う場合には、株主総会の特別決議による定款変更が必要となります(会社法466条、309条2項11号)。

また、商号を変更した場合には変更日から2週間以内に商号変更の登記を申請しなければなりません(会社法915条1項)。この期間内の登記を怠った代表者等は、裁判所から100万円以下の過料に処せられる可能性があります(会社法976条1号)

平成18年の会社法改正により、類似商号規制(同一市区町村内で、同じ事業目的の類似商号をもつ会社は登記できない規制)は撤廃されましたが、顧客や取引先による誤認や後日の紛争防止の観点から、事前に類似商号の調査は行うべきと考えます。詳しくはお近くの司法書士までご相談ください。

目的変更の登記

株式会社において、目的は定款の絶対的記載事項であることから(会社法27条)、目的の変更を行う場合には、株主総会の特別決議による定款変更が必要となります(会社法466条、309条2項11号)。

また、目的を変更した場合には変更日から2週間以内に商号変更の登記を申請しなければなりません(会社法915条1項)。この期間内の登記を怠った代表者等は、裁判所から100万円以下の過料に処せられる可能性があります(会社法976条1号)

目的とは、会社を運営していくうえでの事業内容のことであり、顧客や取引先の信用を得るうえでも非常に重要です。目的として認められないものもあるなど、その内容や登記手続きについて不安がある場合には、お近くの司法書士までご相談ください。

解散・清算結了の登記

株式会社の解散から清算の流れは以下のとおりとなります。(株主総会の決議による解散の例)

STEP
株主総会での解散決議

株主総会で会社の解散を決議します。この決議は特別決議により行う必要があります。

STEP
解散・清算人就任の登記

株主総会で解散を決議した場合には、2週間以内に解散の登記と清算人就任の登記を申請します。

STEP
財産目録と貸借対照表の作成及び承認

清算人は、会社の財産を調査・評価し、財産目録と貸借対照表を作成します。この財産目録と貸借対照表は株主総会の承認を得る必要があります。

STEP
債権者保護手続き

清算人は官報による公告と個別の催告により会社の解散を周知します。これによって債権者が申し出ることにより、債権の回収を行います。これを債権者保護手続きといい、最低2か月の期間がかかります。

STEP
解散事業年度の確定申告書の提出

解散した会社は、解散事業年度の開始日から解散日までの確定申告書を税務署に提出しなければなりません。

STEP
資産の現金化、債務の弁済、残余財産の確定及び分配

清算人により、会社の売掛金や貸付金等を回収し、不動産などの資産は売却等により現金化し、債権者に債務の弁済をします。残余財産が確定したら株主に分配します。

STEP
清算確定申告書の提出

残余財産が確定したら、残余財産確定日の翌日から1か月以内に、清算確定申告書を税務署に提出します。

STEP
決算報告書の作成・承認

清算確定申告書を提出したら、清算人は決算報告書を作成し、株主総会の承認を受けます。

STEP
清算結了の登記

決算報告書が株主総会で承認された場合には、2週間以内に清算結了の登記を申請します。

STEP
各機関への解散の届出

税務署・社会保険事務所・労働基準監督署・地方自治体等の機関に解散の届出をし、手続きが終了となります。

会社の解散・清算結了については、登記手続きのほか、確定申告や決算報告書の作成、税務署等への届出が必要となります。お手続きに不安のある方は、お近くの司法書士または税理士までご相談ください。

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