043-310-3310
抵当権の債務者の住所変更登記〜根抵当権と手続きが異なります

債務者は抵当権の絶対的登記事項
抵当権の絶対的登記事項は下記の通りであり、抵当権設定の登記の申請書に必ず記載することとされています。
(不動産登記法59条、83条)
- 登記の目的
- 登記原因及びその日付
- 登記権利者の氏名又は名称及び住所
- 債権額(一定の金額を目的としない債権の場合はその価格)
- 債務者の氏名又は名称及び住所
- 抵当権の目的(所有権以外を目的とする場合)
このように「債務者の氏名又は名称及び住所」は絶対的登記事項とされています。
なお、抵当権において、下記は任意的登記事項とされ、定めがあれば抵当権設定の登記の申請書に記載できることとされています。
(不動産登記法88条、59条)
- 利息の定め
- 損害金の定め
- 債権に付した条件
- 債務の弁済期(支払時期)の定め
- 抵当証券発行の定め
- 民法第370条ただし書の定め(付加一体物の除外特約)
- 権利消滅の定め
抵当権の債務者の住所変更登記とは
抵当権の債務者の住所変更登記は、たとえば、住宅ローンを利用して先行して土地を購入し、注文住宅を建築する場合において、新築建物の所有権保存登記及び抵当権追加設定登記を申請する際に、土地に設定された抵当権について債務者の住所変更登記を申請する場合などに行われます。
また、すでに抵当権が設定されている場合において、債務者の住所変更の事実を金融機関に申し出た場合に行われることもあります(この場合において、抵当権の債務者の住所変更登記を求めるかどうかは、金融機関により対応が異なります)。
登記申請書の記載例
抵当権の債務者の住所変更登記の申請書は以下のとおりです。
登記申請書の記載例(抜粋)
登記の目的 抵当権変更
原 因 年月日住所移転※1
変更すべき登記 年月日受付第○○○号※2
変更後の事項 債務者の住所
千葉市中央区新宿◯丁目◯番◯号※3
権 利 者 (住所)◯◯銀行※4
義 務 者 (住所)◯◯◯◯ ※4
添付情報 登記原因証明情報※5
登記識別情報通知(登記済証)※6
代理権限証明情報
登録免許税 金◯円※7
※1原因は住所変更の日付をもって「年月日住所移転」となります。
※2変更すべき登記として、当初の抵当権設定登記の「受付年月日・受付番号」を記載します。登記の目的にて「○番抵当権変更」と記載して抵当権を特定しても構いません。
※3変更後の事項として、住所変更後の債務者の住所を記載します。
※4権利者を抵当権者、義務者を設定者(所有者)とする共同申請となります。
※5登記原因証明情報として、住所変更を証する住民票または戸籍の附票を添付します。
※6設定者の登記識別情報通知または登記済証を添付します。なお、抵当権の債務者の住所変更登記においては印鑑証明書の添付は不要です。
※7登録免許税は不動産1個につき1,000円となります。
根抵当権の債務者の住所変更登記手続きとの違い
抵当権の債務者の住所変更登記の申請書には、印鑑証明書の添付は不要ですが、根抵当権の債務者の住所変更登記の申請書には、印鑑証明書を添付しなければなりません。
また、抵当権の債務者の住所変更登記の申請書には、変更後の事項として「債務者の住所」のみ記載すれば足りますが、根抵当権の債務者の住所変更登記の申請書には、変更後の事項として「債務者の住所及び氏名」を記載しなければなりません。
根抵当権は、その性質上、被担保債権の範囲を明確にする必要があることから、根抵当権の債務者の住所変更の登記における変更後の事項についても、債務者の住所及び氏名をもって表示しているものと解されます。
債務者の住所変更登記の手続きの違い
| 印鑑証明書 | 変更後の事項 | |
| 抵当権 | 添付不要 | 債務者の住所のみ |
| 根抵当権 | 添付要 | 債務者の住所及び氏名 |