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根抵当権の極度額変更登記

根抵当権の極度額とは
根抵当権の極度額とは、根抵当権によって担保される債権の上限額をいい(民法398条の2)、根抵当権者は、極度額を限度に、確定した元本および利息・損害金について、根抵当権を実行することにより他の債権に先立って弁済を受けることができます。
極度額は根抵当権の絶対的登記事項
根抵当権の絶対的登記事項は下記の通りであり、根抵当権設定の登記の申請書に必ず記載することとされています。
(不動産登記法59条、83条、88条1項)
- 登記の目的
- 登記原因及びその日付
- 登記権利者の氏名又は名称及び住所
- 債務者の氏名又は名称及び住所
- 債権の範囲
- 極度額
このように「極度額」は根抵当権の絶対的登記事項とされています。
なお、根抵当権において、下記は任意的登記事項とされ、定めがあれば根抵当権設定の登記の申請書に記載できることとされています。
(不動産登記法59条、88条1項)
- 担保すべき元本の確定期日
- 民法第370条ただし書の定め(付加一体物の除外特約)
- 権利消滅の定め
根抵当権の極度額の変更
根抵当権の極度額は、根抵当権者と根抵当権設定者の合意のほか、利害関係人の承諾がなければ変更することはできません(民法398条の5)。この利害関係人の承諾は、根抵当権の極度額変更の効力発生要件となります。また、根抵当権の極度額は元本確定の前後を問わず変更することができます。
この利害関係人の例として、下記の者があげられます。
極度額の増額変更
| 1 | 後順位の担保権者(仮登記担保権者を含む) |
| 2 | 同順位の担保権者 |
| 3 | 根抵当権者に対して順位を譲渡または放棄した抵当権者 |
| 4 | 目的不動産の差押債権者、仮差押債権者、仮処分債権者 |
| 5 | 目的不動産について所有権の移転または移転請求権の仮登記をした者 |
※後順位の地上権者、目的不動産の用益権者は利害関係人に該当しません(不動産登記実務研究会「不動産登記の書式と解説第6巻」)。
極度額の減額変更
| 1 | 根抵当権の転抵当権者(転根抵当権者) |
| 2 | 【元本確定後】根抵当権またはその順位の譲渡または放棄を受けた受益者 |
登記申請書の記載例
根抵当権の極度額変更登記(増額変更)の申請書の記載例は以下のとおりです。
登記申請書の記載例(抜粋)
登記の目的 根抵当権変更
原 因 年月日変更※1
変更すべき登記 年月日受付第○○○号※2
変更後の事項 極度額 金○万円
権 利 者 (住所)◯◯銀行※4
義 務 者 (住所)◯◯◯◯ ※4
添付情報 登記原因証明情報※5
登記識別情報(登記済証)※6
印鑑証明書※7
承諾を証する情報※8
代理権限証明情報
登録免許税 金◯円※9
※1根抵当権の極度額変更は、利害関係人の承諾が効力発生要件であることから、原因は「変更契約日」と「利害関係人の承諾日」のうち「いずれか遅い日付」をもって「年月日変更」となります。
※2変更すべき登記として、当初の根抵当権設定登記の「受付年月日・受付番号」を記載します。登記の目的にて「○番根抵当権変更」と記載して根抵当権を特定しても構いません。
※3変更後の事項として、変更後の極度額を記載します。
※4増額変更の場合には、権利者を根抵当権者、義務者を設定者(所有者)とする共同申請となります。減額変更の場合には、権利者を設定者(所有者)、義務者を根抵当権者とする共同申請となります。
※5登記原因証明情報として、極度額変更契約証書または報告形式の登記原因証明情報を添付します。
※6登記義務者の登記識別情報または登記済証を添付します。
※7登記義務者の印鑑証明書を添付します。
※8利害関係人の承諾書を添付します。承諾書には利害関係人の印鑑証明書(有効期限の定めなし)を添付します。
※9増額変更の場合の登録免許税は「増加する極度額×1000分の4」にて算出します。減額変更の場合の登録免許税は不動産1個につき1,000円となります。
利害関係人の承諾書のひな形
根抵当権の極度額の増額変更にかかる利害関係人の承諾書のひな形は以下の通りです。